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No.00『禅と彩りの楽園(ぜんといろどりのらくえん)』

¥15,000($95.69)

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画面中央に横たわる銀白色の沙紋(さもん)と、その上下左右を埋め尽くす幾何学的かつ有機的な色彩の群生。一見すると対極に位置する「静」と「動」、「和の抽象」と「西洋的なサイケデリック」が、驚くべき高解像度で調和した秀作である。赤木政則氏が提示するこの世界は、単なる美しき風景画にとどまらず、観る者の精神を深く揺さぶる瞑想的な空間として機能している。

画面下部には、青々とした竹林、澄み渡る水辺、手水鉢(ちょうずばち)のような佇まいの器が配されている。ここに漂うのは、日本の伝統美学である「枯淡」や「禅」の静寂そのものだ。しかし視線を少し上へと滑らせると、光景は一変する。幾層にも重なる丘陵には、鱗のように敷き詰められた緑の葉群、色とりどりのキノコや花々を思わせる生命体がひしめき合い、空には太陽がまるで曼荼羅(まんだら)のごとく多色の光輪を散らして浮かんでいる。

特筆すべきは、沙紋(砂紋)の圧倒的な細密描写である。白と黒の極小の点と線の集積によって描かれたそのうねりは、水面の波紋のようでもあり、宇宙のエネルギーの流動のようでもある。このモノクロームの帯が画面の中央を貫くことで、周囲の溢れんばかりの色彩が散漫にならず、むしろ一枚の絵画として強固なカタルシスを生み出しているのだ。

静観と高揚、抑圧と解放。相反するふたつの感情がこの一枚の中で完結しており、観る者は目を凝らすたびに新しい発見を得ることになる。細部へと入り込めば入るほど、作家の超人的な集中力と、線一本一本に込められた情熱の密度に圧倒される。古代の宗教画が持っていた「世界を総体として捉える眼差し」を、現代的なポップセンスと緻密なペン画技法で昇華させた、赤木氏の真骨頂とも言える至高の逸品である。

文評:双子三郎

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